とある農大生の独り言

徒然なるままに

ふるさと納税をしてみた!

少し今更なんですが・・・

 

 

ふるさと納税をしてみました

 

なので、今回は少し話を脱線して、ふるさと納税について書きたいと思います。

 

ふるさと納税という言葉は聞いたことがある人が多いと思います。

 私も以前から言葉も制度も知っていましたが「所得税から引かれるけど、税率低い人には、損でしょ。それに確定申告しないと税金から引かれないし。やらねー」と思っていました。

 

ところが、つい最近ふるさと納税をしたことのある人から「主に住民税から引かれるんだよ。だから、所得が低い人でもお得だよ。」と言われ計算シュミレーションサイトで調べてみると・・・

 

www.furusato-tax.jp

 

 

結果は・・・

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住民税2万円以上も引かれるじゃん!!! 

マジで!!!

 実質2000円の負担で2万円寄付した時のお礼の品がもらえる!!

これはやってみるべし!!!

と思い直し、やってみました。(中途半端な知識で物事を判断するのはダメですね。反省(^^;;)

 

私が使ったのは「ふるさとチョイス」というサイトです。

このサイトで、寄付からお礼の品選び・カード決済まで全てできます。

(別にふるさとチョイスの回し者ではありません)

 

まずは無料登録をします。右上にボタンがあります。

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メールアドレスを入力して登録!

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↓この画面になります。

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入力したメールアドレスにメールが届くので、URLをクリック。

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これで登録完了

このあと、住所登録の画面が出てきます。

登録してもしなくてもいいですが、登録すると次回以降の入力の手間がはぶけます。私はこれからも使うと思うので登録しました。

 

サイトで、特産物を選びます。

金額や特産物やクレジットが使えるもの等いろんな方法で、検索がかけれます。

 

私は振込などは面倒なので、「チョイスからクレジット決済ができる」で山形県天童市の天道牛もも(焼き肉用)を選びました。

下にある「この自治体に寄付を申込む」ボタンを押します。

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すると、申込みフォームに移るので、住所などを入力して(登録した人は自動入力されます)、支払い方法を選びます。

その他にも、寄付の使い道を選べたりします。 

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お礼の特産品を選びます。

山形県天童市は将棋駒の生産が盛んみたいで、お礼の品の他に将棋駒ストラップももらえるみたいですwww

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確認ボタンを押して、入力内容に間違いがないかを確認したら「送信する」ボタンを押します。

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クレジットカード決済をした場合は「クレジットカード決済に進む」ボタンから決済画面に移ることができます。

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クレジットカード情報を入力して、決済をしてしまえば、

ふるさと納税完了

 

あとは、商品と寄付金控除証明書が送られてくるのを待って、来年確定申告をするだけ。

 

すごい!

 

このサイトはふるさと納税の問題点についてもきちんと取り上げていたので、使いました。他にもいろんなサイトがあるので、自分の好きなサイトを選べます。

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ここからは、お勉強。

 

ふるさと納税という制度は、なんのためにあるのでしょうか?

 

ふるさと納税は、「納税」という言葉がついていますが、もともと「寄付金控除」という税金の制度の応用バージョンです。

 

たとえば、私が赤十字社に寄付をしたとします。

赤十字社は、災害救護など苦しむ人を救うために活動している団体です。

日本赤十字社は国に特定公益増進法人として認められています)

とすると、私が出した寄付金はみんなのために使われる(=公共性・公益性がある)ということです。

 

一方、税金というのは、日本という国や県、市町村など、同じ地域で住んでいる人たちが、みんなで使う道路などを作ったりするため(=公共性・公益性がある)に、みんなで払うお金でしたよね。

 

「じゃあ、みんなのために使われるという所(=公共性・公益性がある)は税金と一緒なんだから、私がもともと払う予定の税金から引いてもいいよね」

という風に考えるのが寄付金控除」という制度です。

 

 

仮に私の今年の所得額5万円、所得税率5%で寄付したのが1万2千円だったとします。

この場合、私の所得税は{5万円ー(1万2千円ー2千円)}✖️5%=200円となります。

 

2千円引いているのは、控除対象下限額といって、税法で決まっています。

これは、あまりにも小さい額の寄付金まで、税金の計算に入れると、寄付金の額以上に税務署の処理が大変になってしまうためです。少し前の23年度までは5000円でしたが、税務署のITが発達したためでしょうか、2000円にまで引き下げられました。

あと、個人的な意見ですが、強制じゃないんだから2000円は純粋な寄付しろよとか寄付金で税金が控除されるってことは、税金を納める所を自分で選べるってことだから、2000円くらいは、その選択料として余分に払ってよってこともあるんじゃないでしょうか。

 

この寄付金控除の制度と、地方の特産物サービスを組み合わせたのが、ふるさと納税です。

 

赤い羽根募金をしたら、赤い羽根がもらえますよね(今はどうなんだろう?)。

「◯◯県に寄付してくれたら、お礼として◯◯県の特産品を送ります!」ということです。

そして、その寄付の一部は税金から差し引かれるので、実質負担は寄付した額から税金が免除される額を差し引いた額になるというわけです。

 

なぜ、こんな制度ができたかというと、その大きな原因は地方の過疎化です。

働き盛りの人たちが、どんどん地方から東京などの都会に上京すると、住民税などの地方税は、住んでいる都道府県・市町村に収められるため、地方の税収がどんどん少なくなっていってしまいます。

地方は小学校・中学校など地方のお金を使って子供達を育てたのに、働き盛りになって、税金を収めてくれると思ったら、都会に行ってしまう。

税収が減ってしまっては、新しい施設を作ったり、道路を整備できなくなるので、余計人が便利な都会へ行ってしまう。するとまた税収が減る。

 

この問題を解決するために2008年からふるさと納税が導入されました。

ふるさと納税により、都会に収められるはずの税金が地方に収められます。

↑の画像で特産品を選ぶところで[市外にお住まいの方でご寄附をいただいた皆様]と書いてあるのは、そのためです。

もちろん逆パターンもあります。しかし、サイトで検索してみればわかると思いますが、東京や大阪は地方に比べお礼の品のバリエーションが少ないです。それに、都会の方が人口が多いので、地方に流れるお金の量も大きくなります。

 

すると、今度は都会の税収が少なくなるじゃないか!と思うかもしれませんが、寄付した額が住民税から引けるのは、住民税の2割までとなってるため、それ以上は都会の税金が少なくなったりはしないのです。(所得税は所得額の4割が限度額ですが、所得税国税なので地方税とは別です)

 

また、最低でも2000円は純粋な寄付となるので、都会もそんなに困らないし、地方は助かるというわけです。

 

賛否両論あるようですが、このブログの読者の方は確定申告される方が多いと思うのでおすすめです。

 

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ここからは、確定申告の手続き編です。

 

この記事の最初の方に「確定申告しなきゃ税金から引かれないし」と書いていたように、ふるさと納税をするとサラリーマンなど確定申告をしなくてもいい人が「寄付しましたよ」ということを税務署に言わなければ、税務署はわからないので寄付した額は税金から引かれません。

(もちろん、確定申告したら税金から引いてあげるよという制度なので、確定申告しなかったら、寄付した全額が純粋な寄付になるだけなので、罰則なんかはありません。2015年4月1日以降の寄付で、もともと確定申告する必要のない場合は「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」で代用できるみたいです。)

 

なので、確定申告書で何をすればいいのかを確認しておきましょう!

することは3つです。

①第一表に寄付金の控除額を書く

②添付書類台紙に寄付証明書を貼る

③第二表に寄付先の所在地・名称と寄付金の額を書く

 

まずは①、確定申告書Bの表紙です。

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「所得から差し引かれる金額」の中に「寄付金控除」という欄があります。

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ここに、表の「所得の金額」の合計✖️40%か、ふるさと納税した額の、どちらか低い方の金額から2千円を引いた額を書きます。

 

たとえば、所得の金額が10万円とします。その40%は4万円、寄付をした金額が1万円だとすると、寄付をした金額の1万円の方が低いので、1万円から2千円引いた8千円を書くことになります。

 

②次は、添付書類台紙に、寄付した地方から届いた寄付証明書を貼り付けます。

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③最後に第二表です。

上の欄に寄付先の所在地と寄付した額を書きます。私の場合、「山形県天童市・10000円」と書くことになります。

下の欄の「都道府県・市区町村分」と書いてあるところに寄付した額を書きます。

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ふるさと納税に関するところは、これで終わりです。

そんなに難しくないでしょ?

 

まあ、確定申告する時まで、

・寄付証明書が届いたら大事に保管しておかなきゃ!

・確定申告する時は、3箇所に金額を記入するところがあるんだな〜

ということだけ覚えておけば十分でしょう。

現金主義と発生主義

今回は、会計学の現金主義と発生主義についてです。

会計・簿記において会計公準と同じくらい重要で基本的なものです。
 
まず、主義とはなんでしょうか?
 
よく、あの人は現実主義・リアリストだ、とか逆に理想主義・ロマンチストだ、とか言います。
 
現実主義を調べてみると
「現実主義とは現実を最重視する態度。理想を追うことなく、現実の事態に即してことを処理しようとする立場。」
と書いてあります。
 
つまり、主義とは、何を重要視しているかということです。
 
だから、現金主義とは、現金の流れを重要視する考え方で、発生主義は、取引の発生を重要視する考え方です。
 
たとえば、1月1日、ルカのお店にお得意さんが来て、「今日は10リラの果物を頂戴。」と言われ、品物を渡しました。
しかし、お得意さんに「あっ!財布を忘れちまったよ。明日も来るから、明日まとめて払ってもいいかい?」と言われました。
ルカはほとんど毎日来てくれているお得意さんなので「いいですよ」と承諾しました。
そして、実際に1月2日にお得意さんはお金を払いに来ました。
 
このとき、ルカが現金主義だとすると、
1月2日 売上 10リラ
と表に書くことになります。
なぜなら、2日に現金が入ってきたからです。
 
でも、発生主義だとすると、
1月1日 売上 10リラ
と表に書くことになります。
なぜなら、1日に品物を渡して、お金を払う契約をしているので、取引が発生しているからです。
 
つまり、「いつ」売上があがったかを決める時に、
「品物を渡してても、ちゃんとお金が入ってくるかわからないじゃないか。ちゃんとお金が入ってきた時に売上が上がったと書くべきだ」と考えるのが現金主義で、
 
「いやいや、品物を渡して、明日払うとまで聞いてるんだ。書面じゃなくても、きちんと契約が交わされてるんだから、契約が交わされた時に売上が上がったと書くべきだ」と考えるのが発生主義です。
 
どちらが正しいというわけではありません。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
 
現金主義は、現金の受け渡しという「行動」に基づいていますから、記録する人がわかりやすい・記録が少なくて済むというメリットがあります。
しかし、品物を渡しているのに、その記録が残らないとか、今月は営業マンが頑張って100万円の契約を取ってきたけど、お金が入ってくるのは来月だから今月の売上には載らない、今月の営業成績がわからない、というデメリットがあります。
 
一方、発生主義だと、取引の発生という「意思」に基づいていますから、記録を見る人が取引がいつ行われたかが分かる・お金が動いていなくても契約の状況が分かるというメリットがあります。
しかし、「意思」という直接目に見えないものに基づいていますから、「今月は、売上が少なかったから、100万円多く売ったことにしておこう」など嘘が書きやすくなるというデメリットがあります。
 
前の記事にも書きましたが、大昔で現金決済しかなくて、契約とお金の引き渡しにタイムラグがなければ、現金主義で問題ありませんでした。1日の中で、契約とお金の引き渡しが終わってしまえば、現金主義でしようが、発生主義でしようが、結果は同じですから。
 
しかし、現代のように、クレジットカード決済や分割払いやお試し販売など色々な販売方法がでてくると、現金主義では、取引の状況がわからなくなってしまいます。
なので、現代の会計では「発生主義」で記録しましょう!という風になっています。

簿記の始まりwith昔話②

①の続きです。

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1月4日の朝、残高を数えて記録すると、表がこうなっていました。 

 

1月の現金残高(お金が残っている数)

日付売上残高
 1日   100
 2日   101
 3日   103
 4日   102

  ルカ「あれ、お金が減ってる。そういえば、昨日、商品を1リラ買いにいった(仕入)んだった。あと、ノートも1リラで買ったんだった。この表じゃ、わからないから作り直さなきゃ。」

 

1月の現金残高ー表③

日付入金出金残高
 1日   100
 2日 売上   101
 3日 売上   103
 4日 売上

仕入

ノート

  102

 ルカは最初は、売上の横に仕入欄を作ろうとしましたが、それではノートを書く欄を別に作らないといけないため、出金の欄を作りそこに仕入とノートを記入しました。

出金欄に合わせて、売上欄も売上以外の入金があったとき(たとえば借入)に記入できるように、入金欄に変えました。

 

ルカはこの表を現金たり、まったりする帳簿なので、「現金出納帳(げんきんすいとうちょう)」と名付けました。

 

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これは一般的に市販されている現金出納帳です。

少し、上の話の表より項目が増えていますが、原理は同じです。

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簿記には、単式簿記複式簿記があります。

現金出納帳だけでお金の流れを管理している場合は、現金という一つ()の項目について帳簿入するため、単式簿記を採用しているということになります。

500年前のように、カード決済などがない頃は、単式簿記で対応できました。しかし現代のように色々な決済の方法がある場合は、単式簿記では対応できません。

そこで複式簿記の登場です。複式簿記を理解するためには前提として、現金主義と発生主義について理解しておく必要があります。

 

次回は、簿記から会計の話に戻り、現金主義と発生主義について書きます。

簿記のはじまりwith昔話①

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むかし、むかしのお話です。

 

だいたい今から500年くらい前の、多分イタリアでのお話。

 

そのころのイタリアはとても、商売が盛んで、ルカ・パチョーリというとても賢い商人がいた。

 

ルカは果物やなんかを売っていた。

 

最初はなにも記録していなかったが、それでは今いくらもっているかはわかるが、今日いくら儲かったのかはわからない。

 

そこでルカは、1月1日から毎日、仕事が終わった後、お金を数えて記録を始めることにした。

 

1月1日の夜

お金が100リラある。

 

1月2日の夜

お金が101リラある。

 

1月3日の夜

お金が103リラある。

 

3日目になると、ルカは毎日「お金が残っている数(=現金残高)を書くだけなんだから、数だけ書けばいいように表を作ろう」と思い、下の表を作りました。

 

1月の現金残高(お金が残っている数)ー表①

日付残高
 1日   100
 2日   101
 3日   103

 

この表を見て、賢いルカは「増えた分が、売上だから、2日の売上は1リラで3日の売上は2リラだな。そうだ、売上もこの表に乗せれば、すぐに売上がわかるぞ」と思い表を作り直しました。

 

1月の現金残高(お金が残っている数)ー表②

日付売上残高
 1日   100
 2日   101
 3日   103

 

これで毎日の売上と現金の残高がわかるようになりました。

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②に続きます。 

 

簿記と会計学

前回は、会計公準について書きました。

会計公準は財務会計の理論の部分、会計学で初めに出てくる理論です。
 
しかし、どんな仕事でもそうであるように、理論や理屈だけでは、何も出来ません。
 
会計学を商売に役立てるための方法、手法が必要です。
 
それが、簿記です。
 
例えば、サシを使わず直角の線を描きたいとします。
三平方の定理から、辺の長さが3:4:5の三角形は直角三角形であると言えます。
②そこで、12センチのヒモを用意して端から、3センチ、4センチ、5センチのところで折って直角三角形を作り、その直角にそって線を引くことで、サシを使わず直角の線が描けます。
 
財務会計に置き換えると、
①が会計学(理論)になり
②が簿記(手法)になります。
 
 
簿記というのは、「帳簿記入」の略です。
言葉どうり、日々の売上や経費を「帳簿」に「記入」していく技術です。
 
といっても、簿記が基本的にする事は、簡単に言うと、「記録」と「分類」です。
 
商売でしたお金のやり取りを
収益(例えば、売上)と
費用(例えば、原価)と
資産(例えば、現金)と
負債(例えば、借金)と
資本(個人事業主の場合、自分で出した元手)
の5つに分類し、
 
さらに
収益と負債と資本を
貸方という分類にまとめ
 
費用と資産を
借方という分類でまとめ
 
決算の時が来たら、
収益と費用を取り出して相殺する。
相殺して残ったものを、また、資本に戻す。
 
これの繰り返しを記録していきます。それだけです。
 
といっても、やってないと分からないので次回は、具体的に簿記の成り立ちのお話しを書きます。

会計公準

財務会計には、公準というのが3つあります。

公準は、「こうじゅん」と読みます。

財務会計の公準とは、税務で言えば、大原則にあたります。公準が守られていなければ財務会計が根本的に成り立ちません。

 

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①継続企業の公準

これは、財務会計をするにあたって「企業」が「継続」してずっと続くものと仮定するということです。

本来、あるお店が儲かったかどうかは、そのお店の開店から閉店するまでの売り上げや費用を集計しないと、計算できません。

でも、財務会計は税金の申告などのために外部の人に報告する必要があるときに使うものです。

なのに、お店が閉店するまで、どれくらい儲かっているとかの報告ができないのでは困ります。

そこで、ずっと続いていくと仮定して(最長で)一年ごとに期間をくぎって利益を計算し、報告するようになっています。

 いつか書きますが、費用収益対応の原則や減価償却などは、継続企業の公準が前提にあるからなりたつものです。

 

②貨幣的評価の公準

これは、お店がどれくらい儲かっているとか、どれくらいの財産があるというのを、財務会計で表現するときは、お金の単位(=貨幣的評価)を使ってください、ということです。

たとえば、 このお店は、現金5000万円と100坪の土地と築4年の建物を資産として持っています、という報告ではなく、現金5000万円と1億の土地と4000万円の建物を持っており、合計1億9000万円の資産になります、という風に報告せよ、ということです。

 

貨幣的評価の公準のおかげで、

・おなじ貨幣、たとえば日本なら円を使っているお店なら、このA店よりB店の方が儲かっているという比較が可能になり、また

・上のように、いろんなものをお金に換算して、「このお店の儲けは◯◯円です」とお店という単位で儲けなどを報告できます。

 

③企業実体の公準

この中で最も重要視してもらいたいのが、企業実体の公準です。

これは、簡単に言えば、お店の財布とあなたの財布は、別にして、計算・報告してねということです。

 

たとえば、お店の営業のために100円のノートを買った場合は、お店の費用になりますが、お店の経営者が自分の趣味で使うために買ったノートはお店とは関係ないので、お店の費用の計算にはいれてはいけません。

 

お店の財布と経営者の個人的な財布を一緒にしてしまうと、どうなるでしょうか?

自分で使ったお金の内容を全て正確に覚えていて、かつ、自分で全て会計の処理を行う人ならいいですが、そうでない場合、どの分がお店の費用なのか、そうでないのかが分からなくなってしまい、お店がどれだけ儲かっているのかという計算ができなくなってしまいます。

会計の知識がある人からしたら分けるのは当たり前なのですが、案外知らない人が多くて、分けてなかったりします。

後で、めんどうなことになるので、これからお店を開く人は最初に必ず、お店用の財布と自分個人の財布を分けましょう。

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私は、学生の時は教科書に書いてあったのを、ふ〜んという感じで知識として知っていただけですが、働きだすと、経営者が財布をキチンと分けていないために処理が大変になったり、棚卸のときに、数量だけしか書いてなくて、単価を書いてくれなかったり、ということがあって、「公準を守らないとこんなにめんどくさいことになるのか!だから、公準を守らないとだめなんだ」ということに気が付きました。

 

公準の重要性は、公準が守られてない所為で苦労した人でないと気付けないのかもしれません。でも、これからお店をする人・している人は「期間をくぎって考えること・お金の単位で評価すること・そして、お店と自分個人の財布は分けること(一番重要!)がとても重要だ」ということを覚えておいてください。

 

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ちなみに、公準は明文化されていません

つまり、租税法律主義のように(覚えてますか?)、法律で、はっきりと「第◯条 財務会計では、継続企業・貨幣的評価・企業実体の公準と守らなければなりません」と規定されているわけではないということです。

 

しかし、公準が成り立た無いと、根本から財務会計が崩れてしまうので、「当然、財務会計をするにあたって守るべき」となっています。

 

たとえば、誰かにお世話になったら、「ありがとう」といいますよね。

別に法律で決められているわけではありません。

自分の感謝の気持ちを表現するために当然にすることです。

 

財務会計も誰かにお店の状態を表現するためのものですから、それと同じようなもんだと思っていてもいいのかもしれません。

会計の基礎知識②

少しづつ、会計の中身を詳しく見ていきたいと思います。 

 

会計には、まず、大きく分けて二種類あります。財務会計管理会計です。

 

前回の記事でも書きましたが、財務会計は、自分のお店がどれ位財産を持っているとか、どれ位儲かっているとかを、外部の人に伝えるための会計です。


外部とは、例えば税務署。

所得税は、お店の儲けにかかります。所得税は申告納税方式でしたね。覚えてますか?

申告納税方式なので、自分のお店の儲けを自分で計算して、納税しなければなりません。

儲けの計算に、財務会計が必要になります。

その為、強制、つまり必ずしなければならない場合が多いです。


一方、管理会計は、内部の人が自分で使う会計です。

例えば、損益分岐点分析。

あなたがたこ焼き屋さんをしていたとします。たこ焼き屋さんの家賃や材料費をまかなうには、何個たこ焼きを売ればいいか?など自分の目標を決めたりするために使ったりします。

自分の為にする会計なので、任意、つまりしてもしなくてもどっちでもいい場合が多いです。 

 

「場合が多い」と書いたのは、実は完全にハッキリと分かれているわけでは無いからです。例えば、管理会計の一部である原価計算の結果は、財務会計をするために必要になってきます。 ただ、大きく分けて財務会計管理会計があることを覚えておきましょう。


確定申告には、主に財務会計の知識が必要になります。

なので、次回からは財務会計の話をしていきます。