とある農大生の独り言

徒然なるままに

真実性の原則

今日は真実性の原則についてです。

 

7つある一般原則のうちで一番最初に書かれているのが、真実性の原則です。つまり、一番基本的かつ大事な原則ということです。

まぁ、説明されなくともなんとなくわかると思いますが、きちんと押さえておきましょう。

 

真実性の原則:企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない

 簡単に言うと、「会計に嘘や間違いがあっては、ダメですよ」ってことです。

 この原則のポイントは2つあります。

①「だれに」真実な報告を提供するの?

②この原則でいう「真実」とは何か?


まずは、ポイント①についてですが、原則の中では、「だれに」が書かれていません。

商売をすると、いろいろな人と関わります。

取引先・税務署・銀行・市役所・株主などなど、商売の種類や規模によって会計が報告を提供する人は様々です。

例えば、企業会計は、税金の計算のもとになります。それが全くデタラメに書かれていたら、もちろん、税金の計算もデタラメになってしまいます。

つまり、会計に嘘が書かれていると、自分の利害だけでは済まなくなり、いろんな人に迷惑がかかるので、キチンとしなきゃダメよ、ということです。

なので、あえて書く「だれに」を書くとしたら「報告を受ける全てのものに」となりますね。


ポイント②については、先に結論を言うと、原則がいう「真実」とは、「相対的真実」を含みます。


例えば、あなたが、1000万円の土地を買ったとします。

もし、あなたが「この土地で、お店を出そう」と思って買ったなら、この土地は「固定資産」として会計に記録しないといけません。

でも、もし、あなたが「この土地は将来、近くに駅が出来るからきっと値上がりするだろう。今、お金が余ってるし、安いうちに買っといて値上がりしたら売ろう。」と思って買ったなら、この土地は、「投資その他の資産」として会計に記録しなければなりません。

さらに、もし、あなたが不動産屋で、すぐに売ってしまうつもりなら、「仕入」か「棚卸資産」になります。

このように、全く同じ土地を買ったからといって、会計の処理は目的によって、変わってしまいます。

でも、目的に沿って処理していれば、全て「真実な」処理です。

「同じ土地を買う」という取引でも、「真実な報告」は、一つではありません。これが、原則がいう「真実」とは、「相対的真実」ということです。

もちろん、例えば、決算日時点での現金残高など、真実な報告が一つしかない「絶対的真実」もあります。


 同じ取引だからといって、処理も同じだとは限りません。だから、会計・税務のことは、税理士さんに任せておけばいいというものではありません。(もし、あなたの税理士さんが、直接数字と関係無いことを聞いてきても、鬱陶しいなと思わず、質問に答えてあげましょう。その税理士さんは真実な処理をしようとしているだけです)

でも、専門家の知識は必要なく、いままで書いてきた、会計公準などの基本を押さえておけばいいのです。


ちなみに、もし、真実性の原則を破るとどうなるのでしょう?

ポイント①で書いたように、会計は、いろんな人に影響を与えますから、それぞれから、ペナルティを受けます。

もし、嘘がばれて、税金の額が多くなれば、それに応じて、追徴課税や重加算税などを払わなければなりません。

大企業が粉飾すれば、信用を失い株価が下がったりします。

銀行に知られれば、お金を貸してもらえなくなるかも知れません。


読んでみると当たり前のことですが、皆さんは真実性の原則が守れているでしょうか?

案外、自分が記録した数字が間違ってないかキチンと確認するようにしてなかったりします。

以前も書いた、会計主体の大前提が守られていなかったりすると当然、真実性の原則も守られていないということです。お店の財布と自分個人の財布がキチンと分けれてなければ、真実性の原則は守られていないのです。


真実性の原則を守るために、基本的なことから、1つずつ学んでいきましょう。