とある農大生の独り言

徒然なるままに

相続税②

前回のつづきです。


とりあえず、一郎は、祖母が亡くなった場合を考える事にした。

 

土地の所有者は祖母だから、祖母が亡くなった場合、土地の所有権は、叔母と父のものになるのだろうか?

 

一郎には、大学時代の同級生で仲の良かった花子という友達がいた。

花子は大学時代から税理士を目指しており、税理士事務所に勤めていた。

一郎は、この疑問を花子にきいてみる事にした。

 

一郎「もしもし、花子?久しぶり。一郎だけど」

花子「あら、一郎。久しぶりね」

一郎「ちょっと聞きたいことがあってさ。相続のことなんだけど・・・」

一郎は花子に、祖母が亡くなった場合、土地の所有権がどうなるのかを聞いた。

 

花子「ふ〜ん。つまり、相続人が複数いる場合の遺産分割の問題ね。

一郎のおばあさまが亡くなった時、おばあさまの財産は相続人である、一郎のお父様とおば様に相続されるけど、

その時に相続される遺産を一郎のお父様とおば様に分ける必要があるわよね。

これを遺産分割というのよ。

遺産分割の方法は、いろいろあるんだけど、主に3種類あって、

①換価分割

②現物分割

③代償分割

っていうのがあるわ。

 

①の換価分割は、土地とか、お金じゃない遺産を売って、一旦お金に変えちゃって、わけやすくしてから、分けるっていう方法。

 

②の現物分割は、遺産をそのままの状態で分ける方法。例えば、土地だったら、土地の面積を右と左に分けて、右は一郎のお父様、左はおば様が相続する。

他には、おばあさまの遺産が預金とかもあったとしたら、土地は全部、お父様、預金は全部おば様とかの場合もあるわ。

①の換価分割みたいに土地とかお金をお金に変えず、そのままの状態(現物のままの状態)で、分けるから、現物分割というの。

 

③の代償分割は、例えば、土地をお父様が相続する代わりに、土地の半分の代金をおば様にお父様が支払ったり、お父様が所有している財産(株とか)を代わりにおば様に譲るという方法ね。

他にも共有分割とかあるんだけど、後々トラブルになりやすい方法だったりして、あまり使われないから、説明を省くわね。

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一郎の話を聞く限り、土地の上に家が建ってるから、①の換価分割はできそうにないわね。

となると、②か③だけど、おばあさまは土地以外に大きな財産はもってる?」

 

一郎「いや、多分、他に大きな財産はないはずだ。年金生活で預金もそんないないと思う」

 

花子「とすると、②の 現物分割もできそうにないわね。

でも、おばあさまの財産をあなたが知らないだけで、株とかダイヤの指輪とかもってるかもしれないから、もし、株やダイヤの指輪、預金が土地と同じくらいの価値なら、それらをおばさまが、土地をお父様が相続するっていう方法もありね。

もちろん、この場合はおば様がそれを納得する必要があるけど、もう既に土地の上にお父様の家が建ってるんだから、おば様が拒否する可能性は低そうね。

あっ!ちなみに、お父様とおば様は仲が悪かったりしないわよね?」

 

一郎「いや、仲は悪くないよ。特別、良いわけでもないけど」

 

花子「なら、いいわ。でも、相続人同士の仲っていうのは、すごく重要になるから、もし、今後仲が悪くなりそうなことが起こったら、必ず仲裁に入った方がいいわ。というか、そもそも仲が悪くないそうなことは未然に防ぐのが一番ね。」

 

一郎「たしかに、そうだね」

 

花子「まぁ。それはおいといて。

おばあさまに土地以外の財産がなさそうだから、結論としては、③の代償分割になりそうね。

ただ、代償分割の場合、お父様に土地の半額を払うだけの資金が必要になるわ。

仲が良いなら、少しずつ支払っていくっていうこともできそうだけど、いづれにしても、お父様は土地の半額を払うだけの資金を貯めておいた方がいいわね。」

 

一郎「なるほど、疑問が解決したよ。ありがとう。」

 

花子「相談料として今度、おごりなさいよ」

 

一郎「わかった。ちょうどこの間うまい店を見つけたんだ、今度一緒に食べに行こう。」 


つづく