継続性の原則
今回は、7つ(+1)ある会計原則のうちの5つめになる継続性の原則についてです。
継続性の原則:企業会計は、その処理の原則及び手続きを毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。
簡単にいうと、いったん採用した会計処理のルールは、ちゃんとした理由なく変えたらダメですよ、ということです。
一見、「ふーん、だから?」という感じの原則かもしれませんが、重要な点が、3つあります。
①正しい会計処理が複数ある場合がある。そして、それぞれに長所・短所がある。
②会計処理を選択する時は、後々のことも考えて、決めるようにする。
③会計処理を変更する時は、理由を説明できるようにしておかなければならない。
①について
そもそも、継続性の原則があるのは、2つ以上の会計処理方法が認められているからです。「この経済活動に関しては、この会計処理だけです!」となっていれば、継続性の原則なんて存在しなくなります。
例をあげると、在庫(棚卸資産)の評価基準には、原価法と低価法の2種類があります。
原価法とは、その名の通り、1個100円で買った在庫については、今の価格が110円になってても、90円になってても、1個100円で計算する方法です。
一方、低価法とは、1個100円で買った在庫については、今の価格が110円になってても、1個100円で計算しますが、90円になってたら、1個90円で計算する方法です。
つまり低価法は、価格が低下していたら、そちらを優先させるという方法です。
なぜ、こんな方法が認められているのか?
実は会計原則の次に出てくる保守主義の原則と関係があるのですが、その説明は次回にするとして、今はとにかく、「原価法と低価法をどちらか選択できる」ということです。