とある農大生の独り言

徒然なるままに

会計の基礎知識②

少しづつ、会計の中身を詳しく見ていきたいと思います。 

 

会計には、まず、大きく分けて二種類あります。財務会計管理会計です。

 

前回の記事でも書きましたが、財務会計は、自分のお店がどれ位財産を持っているとか、どれ位儲かっているとかを、外部の人に伝えるための会計です。


外部とは、例えば税務署。

所得税は、お店の儲けにかかります。所得税は申告納税方式でしたね。覚えてますか?

申告納税方式なので、自分のお店の儲けを自分で計算して、納税しなければなりません。

儲けの計算に、財務会計が必要になります。

その為、強制、つまり必ずしなければならない場合が多いです。


一方、管理会計は、内部の人が自分で使う会計です。

例えば、損益分岐点分析。

あなたがたこ焼き屋さんをしていたとします。たこ焼き屋さんの家賃や材料費をまかなうには、何個たこ焼きを売ればいいか?など自分の目標を決めたりするために使ったりします。

自分の為にする会計なので、任意、つまりしてもしなくてもどっちでもいい場合が多いです。 

 

「場合が多い」と書いたのは、実は完全にハッキリと分かれているわけでは無いからです。例えば、管理会計の一部である原価計算の結果は、財務会計をするために必要になってきます。 ただ、大きく分けて財務会計管理会計があることを覚えておきましょう。


確定申告には、主に財務会計の知識が必要になります。

なので、次回からは財務会計の話をしていきます。

 

 

会計の基礎知識①

今回からは会計の基礎です。

 

税金・税務と会計は、セットにされることが多いです。実務上では、切っても切り離せないものだからです。

 

でも、税務と会計は目的が全く異なるため、基礎がわからないまま話を進めると、頭が混乱してしまいます。

 

なので、今回からは、前回までの税務の話とは頭を切り替えて読んでいきましょう。

今からする話は、税務の世界とは全く別の世界のお話です。

 

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そもそも、会計とは何でしょう?

 

 会計といえば、『なんとなく、お金の計算すること?』とか『簿記』『経理』を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

 

たしかに会計は、お店や会社が、どれ位、儲かってるのか?

どれ位、財産を持っているのか?

この製品はいくらで売るべきか?

などを知るために考え出された概念や手法を全てひっくるめたものです。

いろいろひっくるめているので会計には、いろんな種類があります。

 

堅苦しい言葉をつかって、「会計とは〜である」と書いているものはありますが、会計のことを知らない人にわかってもらうための説明は、あんがい難しいものばかりで無かったりします。

 

そこで、会計を日記にたとえてみましょう。

 

日記は、日々の記録ですが、いろいろな種類・使い方があります。

会計も同じ。

 

ブログや日報(他人に伝えるための日記)

財務会計(他人、たとえば、税務署や株主に会社の状態を伝えるための会計)

 

自分だけが見る自分のための日記

管理会計(自分のための会計:基本的に外部に見せない)

 

交換日記(複数人で書く日記)

本支店会計:支店独立会計(本店と支店の会計)

 

日誌

簿記、経理、原価計算

 

履歴書も今までの記録という意味では日記といえます(財務諸表、財務会計

 

なんとなくイメージできたでしょうか?

具体的な会計については、これから少しづつわかってきますので、今は「なんとなく」で十分です。

というか、むしろ、会計という言葉には、たくさんの意味がつめこまれているので、「なんとなく」イメージできることが重要です。

 

続きは次回

 

この章の終わりに

前回で、税金に関する常識は終わりです。

 

今までの記事は、学校で習った知識ではありません。

自分が税理士事務所に勤めていた時、気付いたこと・調べたことです。

 

働きはじめた時のこと。

仕事を頼まれても、何をすればいいのか全然わからない。

たくさん勉強もしたし、資格も持ってるのに。

 

勉強や資格は、会計・税務の仕事の一部分をするための知識をつけてはくれますが、いざ仕事となると、それだけではまるで役に立ちません。

 

一生懸命やってきたのに…

一生懸命やっているのに…

わからないことだらけで、全然何もできない自分が嫌で仕方がありませんでした。

 

それでも、必要に迫られて仕事をやっていくうちに、少しずつわかっていきました。

それは、仕事をしていく上で、まず最初に必要なのは、簿記の知識や資格じゃなくて、そもそも、税金とはなんなのか?何のためにあるのか?税金と社会がどういう関係なのか?ということでした。

 

さらに、それがわかってくると、どうして、みんなが幸せになるための税金が、いつから、みんなを嫌な気持ちにさせるものに変わったんだろう?と思うようになりました。

 

また、自分はどれくらい税金・社会保険料をおさめてるんだろう?どういう風に使われてるんだろう?ということを考え出し、どの政治家を選ぶかで税金や社会保障は変わるんだ!じゃあ、どの人がいいんだろう?という風に、今まで見えていなかったものが見てるようになりました。

それまでは、自分の給与明細の所得税の欄の意味も知らず、ただなんとなく投票に行くだけでした。

 

今はほとんどの人が税金=いやなものという認識だと思います。

それは納税・徴収、政治家の汚職・無駄遣いというイメージが強いからだと思います。

そして、これらは、事実でもあります。

 

でも、嫌な一面だけを見て、税の効果・効能、それによって助けられていることという一面もあるということも認識しないでいるのは、もったいないのではないでしょうか?

 

物事をどうとらえるか?どう考えるか?でその先の行動は全て変わってきます。

確定申告をする人たちが少しでも税=いやなものという考え方から解放されるよう続きを書いていきたいと思います。

第2回 確認テスト

いままでの内容を確認してみましょう。

 

税金の分類についての問題です。

___に入る単語はなんでしょう?

 

所得税は___方式の___税です。

消費税は___方式の___税です。

固定資産税は___方式の___税です。

答え(クリックしてね)

所得税は申告納税方式の直接税です。
消費税は申告納税方式の間接税です。
固定資産税は賦課課税方式の直接税です。

税の役割は4つありました。

___に入る単語はなんでしょう?

1__の____

2景気調整

3____の___

4国内産業の保護

答え(クリックしてね)

富の再分配
経済政策の推進

税金の役割2

 前回のつづきです。

 

3.経済政策の推進

税金の法律で、「租税特別措置法」というのがあります。

そぜいとくべつそちほう と読みます。

「租税(いろいろな税金)について、法人税法消費税法とは、別個で特別に、決められた法律」です。

 

 たとえば、原子力発電に変わる自然エネルギーの発電を推進するために、太陽光発電の設備投資には補助金がでます!とか電気消費量の少ないLEDライトに変えたら減税制度が使えますとかがあります。

 

 いくら政治家が「みんな太陽光発電にしよう!」といっても、利益を追求している会社は簡単に「はい、わかりました」と言って、太陽光発電にするために、何百万という投資をするわけにはいきません。

 

 そこで、「経済政策に沿ったことをすると、税金を免除したり、補助金を出しますよ!」といって、みんなのやる気を引き出すわけです。

 

 租税特別措置法は経済の状況や政治によって改正されるため、毎年のように改正があります。 

 

この役割は、節税対策と関わってきますので、よく覚えておきましょう。

 

4.国内産業の保護

税には国内産業の保護という役割があります。

主なものに、関税というのがあります。言葉は知っている人が多いと思います。

 外国からの原材料や製品の輸入に対して関税を課すことで、海外産業から国内産業を保護しています。

 ただ、最近はWTOなどの国際的な取り決めから、あまり国内産業を保護し過ぎると関税が高くて参入が難しいと海外から非難されてしまいます。

 

次回の更新予定

6月7日

 

 

 

税金の役割1

前回までで、税の

・目的

・使い道

・決め方

・分類

などを書いてきました。

 

今回は、税金の役割・効果についてです。

 

目的から言えば、国や地方公共団体のサービス向上でしょ?と思うかもしれません。

もちろんそうなのですが、これ以外に4つ

富の再分配

・景気調整

・経済政策の推進

・国内産業の保護

があります。

 

一つづつ見ていきましょう。

 

1.富の再分配(富の格差を少なくする)

 税の大原則である課税公平主義の原則は、「税金は、無理なく払える範囲で平等に負担してもらう」というものなので、結果として、金額としての税金の負担は、裕福な人は多く、貧しい人からは少ないということになります(担税力としては平等になります)。

 しかし、税金が集められて、使われるのは担税力に関係なく、みんなのためです。

例えば、「貧しくて税金の負担額が少ない人は図書館で5冊までですが、高額納税者は15冊借りれます」なんてことはないわけです。

 すると間接的に、高額納税者=裕福な人から貧しい人へ寄付をしているようなことになります(語弊がありますが、わかりやすく言うと)。

 この効果を 裕福な人の「富」を貧しい人に「再分配」していることになるので、「富の再分配」といいます。

 国民の間に富の格差が大きくなると、ストライキやボイコットなどが生じ、社会が不安定になったりします。

 このように税を利用して、所得や資産の再分配を図り社会の安定化を図っています。

 

 この役割は、節税対策と関わってきますので、よく覚えておきましょう。

 

2.景気調整(所得税と消費税)

 この役割を理解するために、まず「景気」について説明します。

「景気」というのは社会全体で売ったり買ったりという経済活動が活発かどうかという「状況」を指す言葉です。

①国民の所得が多い(=国民が豊か)と使えるお金があるので消費が増え、景気は良くなります。

②商品やサービスが売れるので、会社は生産を増やします。

③しかし、商品やサービスが売れすぎると、値段は上がります。

④すると、売れなくなり、景気は悪くなり、会社は生産を控えはじめます。

⑤商品やサービスが売れなくなると、商品やサービスの値段は下がります。

⑥すると、また売れはじめ、消費が増えて景気は良くなります。

 このように景気は上がったり下がったりしています。これを景気循環といいますが、これ自体は悪いことではありません。経済の自然現象と言っていいでしょう。

 しかし、極端な変動は社会の安定を崩してしまいます。

 自然現象も雨が降ること自体は必要なことですが、大雨になって洪水とかが起こると大変ですよね。同じことです。

 個人からしたら下がりすぎはもちろんダメだけど、上がるのはいいんじゃない?と思うかもしれませんが、上がりすぎもダメです。景気は循環しているので、上がりすぎたあとには、だいたい下がりすぎがくるからです。

 ここまでが前提。

 

で、今度は景気調整ですが、

①国民の所得が多い(=国民が豊か)と使えるお金があるので消費が増えます

→この時、税金(所得税や消費税)の負担額が大きくなります。

 

④すると、売れなくなり、景気は悪くなり、会社は生産を控えはじめます。

→この時、税金(所得税や消費税)の負担額は少なくなります。

 

つまり、景気が上がっている時には、税金の負担額も上がるので、上がりすぎを防止し、景気が下がっている時には、税金の負担額も下がるので、下がりすぎを防止しているのです。

 これを自動調節機能(ビルトイン・スタビライザー)といいます。

 

3と4は次回説明します。

次回の更新は5月31日の予定です。

どうしてこんなに種類があるの?

担税力の源泉の分類

納付方法の分類

納付先の分類

担税者と納付者の分類

 

いろいろな税金の分類方法を書いてきました。

分類の方法がいろいろあるということは、税金の種類がいろいろあるということです。

前に税金の種類は50種以上あると書ました。

 

どうしてこんなにあるのでしょう?

 

いろいろな理由があります。

が、制度というのは大原則に基づいて作られています。

 

だから、制度の構造理由は大原則から導き出せます。

 

税の大原則はなんでしたっけ?覚えていますか?

 

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